「写真展 飯舘村」

午後、新宿の全労済ホールで「写真展 飯舘村」を鑑賞した。飯舘村の酪農家・長谷川健一さんが撮りためた写真が展示されている。著書『原発に「ふるさと」を奪われて』(宝島社)では森住卓氏の写真が使われていたが、この写真展と『写真集 飯舘村』(七つ森書館)では長谷川さんご自身が撮影した写真が展示・使用されている。
僕にとって最も衝撃的だったのは、飯舘村ではなく相馬で自殺した酪農家がチョークで壁と黒板に残した「遺書」の写真だった。「原発で 手足ちぎられ 酪農家」「原発さえなければ」。長谷川さんのご友人らしい。そのほか県民健康管理調査の問診票に書きなぐられた文字。「私は山下俊一のモルモットにはならない」。
そのまますぐ近くの別の会場で、長谷川さんによる講演「原発に「ふるさと」を奪われて」を聞いた。いくつか写真展では使われなかった写真も紹介された。たとえば、餓死したウシたち。その身体をブタが食べていたという…。そのほかモニタリングポストの値とほかの線量計との値が異なるという問題。僕も、モニタリングポストの値と「はかるくん」の値が異なることには気づいていたが、おおむね1割程度なので誤差だろう、と思っていた。が、それとは異なる証言もある。長谷川さんの記録もその一つ。その謎には、周知の通り、藍原寛子さんのレポートが迫っている。 http://t.co/U9bULlxb
「(解決法は)1つは除染。もう1つは村を離れること」という長谷川さんの言葉には苦渋が感じられた。写真展と講演、どちらも秀逸。写真展は14日まで。原発震災を風化させないために、ぜひご覧を。http://t.co/gog0JIQq

原発に「ふるさと」を奪われて?福島県飯舘村・酪農家の叫び

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