元ちとせ「10th Aniversary LIVE」

昨夜のことだが、SHIBUYA-AXで、元ちとせのライブ「10th Aniversary LIVE」を観てきた。
ベストアルバムを出してしばらくして、シングルも出していないタイミングで、どんな曲目が披露されるのかすごく楽しみだった。アルバム収録曲、カップリング曲中心だといいなあ、といつものようにファンとして思いながら。
開始前の効果音楽は、「虹が生まれる国」を彷彿とさせるものだった。
が、選曲はやはりシングル曲が多かったように思う。僕はいつもライブではオープニング曲が何かが気になるのだが、「この街」。NHKの朝のドラマの主題歌になっていたはずの曲だ。僕の記憶では、ライブではあまり歌われない曲だと思う。
最初のほうの「君ヲ想フ」や最後のほうの「六花譚」では、高音がかすれていたのだが、もちろん気になるほどではない。
でもやっぱり、印象に残ったのは「恐竜の描き方」「六花譚」など、やっぱりアルバム収録曲だね、個人的には。そのほか「ひかる・かいがら」「月齢17.4」「ウルガの丘」「カッシーニ(土星に環がある理由)」など…って、結構、アルバム収録曲ありましたね。
ライブ終了後、会場で福岡伸一先生(バックステージパスを付けていた)をお見かけしたので、「以前、翻訳した本を紹介していただいたカユカワです」と声をかけてみたところ、「よく存じています」とのこと。社交辞令かなとも思ったが、そういえば、福岡先生は、アールブリュットの展示で知られる小出由紀子事務所の記帳で僕の名前を見つけてそのことを小出さんに話したということを、小出さんから聞いたことがある。
元ちとせは、ライブの題名が示す通り、メジャーデビューしてから11年目に入ったという。思い起こせば、彼女が活躍してきたこの10年間のうち大半は僕にとって苦難の日々だった。思い出したくないことが大半だが、それらをなんとか乗り越えられたのは、彼女(やCoccoYUIクラムボンなど日本語で歌うシンガーたち)の音楽が助けになったとも、少しはいえるかもしれない。
そしてそうした日々はいま、大きく展開しようとしている。そう思いながら聴いたライブだった。

♪北の街へ届けたい
 わたしの歌を
 君の胸に届けたい
 コトノハ ヒトツ ♪
          −−「コトノハ」

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