2010-01-01から1年間の記事一覧

『悪人』

土曜日だが、身体は自然に御茶の水に向かってしまう。 昨晩、中途半端なところで終わった仕事を、キリのいいところまで続ける。 夕方、もちろん平日よりは早めに切り上げ、せっかく都心に出てきたので、映画でも観ようと思った。『キャタピラー』はどうかな…

JCcast第38回

数日前のことですが、JCcast第38回が公開されました。 僕は、「性器の障害」を出生前に、薬剤を使って治療する「出生前治療」について、山下君は、「触覚と意思」について、赤木君は「ラブプラス」について話題提供しています。 お聴きいただければ幸いです…

『ハナミズキ』

御茶の水に行く必要のない週末はひさしぶりだ。 といっても、やるべき仕事がないわけでは、もちろんない。午前中、洗濯しながら雑用をし、午後のいちばん暑い時間帯に、プール、図書館、スーパーを回る。映画を観たいと思ったのだが、僕はもはや学生ではなく…

「アメリカ議会は、幹細胞への予算支出凍結を覆せるか?」など

暑い。 次から次へといろんなことが起きる……。 「予防的手術が乳がん、卵巣がんのリスクを削減」http://tinyurl.com/25jqvu5 「新しい研究によれば乳がんや卵巣がんの発生リスクを実質的に上げることが知られている遺伝子変異のある女性は、もし乳腺切除手術…

マーク・ハウザー事件:動物の道徳、研究の倫理

少しだけ更新しよう。 すでに紹介したが、アメリカのハーバード大学は、「動物の道徳」研究で有名なマーク・ハウザー教授の研究不正を認めた。このことは波紋を広げているようだ。とくに議論の口火を切った『ボストン・グローブ』紙と、ハウザーの研究を積極…

3回目の腰痛記念日

さて今日は何の日でしょうか。いまから3年前の朝、身体に異変が起き、僕の人生に(あまり歓迎したくない)転機が訪れました。そう、今日は「腰痛記念日」です。 というわけで、今日は腰痛特集! 「グルコサミンは、関節痛に結び付く腰痛に効果なし」http://…

帰室、訃報、幹細胞

というわけで、夕方、帰室。 今回は、25日の午前中、名古屋大学で仕事をした後、そのまま高速バスで“日本のデトロイト”に移動。4泊。いつものようにLPレコードで時代遅れの音楽を聴きながら、西村尚子さんの『知っているようで知らない免疫の話』(技術評論…

「企業の資金で行う薬品試験:悪魔は細部に宿る」など

暑い。少しだけ更新しよう。 「自閉症の増大、半分は説明され、半分はミステリー」http://tinyurl.com/3ajezbf 医療化、バイオ化の行き過ぎでは? 「ADHD、アメリカの100万近い子どもたちで誤診」http://tinyurl.com/27fglub 同上。 「知的障害者を不必要に…

『特攻野郎Aチーム』

いわずと知れた80年代の人気テレビシリーズの映画化。ハリウッドのリメイクというビジネスモデル(?)も、リメイクするネタ元までもう尽きてしまったのか、テレビシリーズにまで手が付けられ始めた……と思ったけれども、『マイアミバイス』も映画化されてい…

『メディカルバイオ』9月号!

オーム社の隔月刊誌『メディカルバイオ』9月号が発売されました。僕はいつものようにBOOK SHELFと「ヘッドライン」を書いています。BOOK SHELFでは、森田邦久著『理系人に役立つ科学哲学』を書評しています。「ヘッドライン」では、アメリカで議論になって…

『瞳の奧の秘密』

仕事が早めに終わったので、シャンテシネで『瞳の奧の秘密』を観る。マイレージがたまっていたので、無料で観ることができたのだが、1800円出しても惜しくない作品だった。 舞台はアルゼンチン。ハリウッド映画ではなく、アルゼンチン映画なので、登場人物は…

熱中症と「人種主義」

暑い。何人もの人が熱中症で倒れ、そして死んでいることが伝えられている。 ミシェル・フーコーはいまから30数年前、その有名な講義において、社会が歴史を重ねるにつれて台頭してきた「生-権力」、そして「人種主義」についてこう述べている。 実際、人種主…

「バークレーの遺伝子検査、後退を余儀なくされる」など

今日は8月15日だが、例のスタイルで……。 「MRIが自閉症を診断できた」http://tinyurl.com/2by7fac 自閉症というのは、MRIでその有無を発見できる「疾患」なのか? 「大気汚染が自殺リスクを高める」http://tinyurl.com/2dermvl これは誤読されると困る。自…

『ソルト』

夜、シネコンのサービスデイ料金を利用して、『ソルト』を観る。 『007』や『ランボー』などを彷彿とさせる“反共”アクション映画だった。とっくに冷戦が終わった現在では、古くさい感じがしなくもない。しかし微妙な調整もあり、悪者はロシアそのものではな…

WHOの利益相反

WHOがインフルエンザ・パンデミックの終息を宣言した。ところで、僕もいまごろ気づいたのだが、インフルエンザ関連で利益相反問題が浮上したらしい。 「WHOによるインフルエンザ・パンデミックに関する助言は汚されているか?」http://tinyurl.com/2w29346 …

Cocco『エメラルド』

昨日からCoccoの新譜『エメラルド』を聴いている。 まだ数回しか聴いていないが、印象を書きとめておこう。 初のセルフプロデュース、とのことだが、ちょっと背伸びしすぎている気がする。前にも書いたかもしれないが、Coccoにしても元ちとせにしても一青窈…

「出生前遺伝子検査の、きたるべき革命」など

今日も。 「出生前遺伝子検査の、きたるべき革命」http://tinyurl.com/2b3osj3 著者は脳科学関係などでもよく名前を見る生命倫理学者。 「国立衛生研究所、利益相反に対するさらなる監視を提案」http://tinyurl.com/2fuml6q 「ヴァチカン、幹細胞パートナー…

「ニューロマーケティングの“すばらしい新世界”」など

昨日と同じスタイルで。 「体外受精児で高い比率のがんを示唆する調査」http://tinyurl.com/2ayykgg 「しかし研究者らは、生殖補助技術との直接的な因果関係を何も見出していない」とか。 同じ話題、別媒体。http://tinyurl.com/36lv7l9 それらの情報源(論…

試みに、twitterみたいなことを

試みに、twitterみたいなことをやってみる。 「ジョージタウン大学、乳がん検査で問題を起こし、ラボを閉鎖」 http://tinyurl.com/2g2qtvw 「クローン・ステーキやミルクシェイクは誰のためのもの?」 http://tinyurl.com/26ol5xg 「人工肺が移植に息を吹き…

「幹細胞医学が見る夢」

自室から電車で数分のところで開催された日本SF大会のシンポジウム「幹細胞医学が見る夢」を傍聴。作家の瀬名秀明氏、ブレイン・マシン・インターフェイスの研究で知られる牛場潤一氏、そして幹細胞研究の第一人者・岡野栄之氏がそれぞれ講演した後、東浩紀…

『インセプション』

映画の日には映画を観る。でも本日は運悪く日曜と重なっているので、当然ながらシネコンは混み合う。少しでもすいている時間帯をねらって、8時40分から始まる回のチケットを取るために7時40分ぐらいにシネコンへ行く。僕はいつも「出入り口に近い通路側」…

ある夏の日の幹細胞報道

たったいま、YYjの日記で知ったのだが、ES細胞を使う臨床試験がようやく始まることになりそうだ。 メンロパーク、カリフォルニア、2010年7月30日――ジェロン・コーポレーション(ナスダック:GERN)は今日、「探索的新薬(Investigational New Drug : IND)…

『借りぐらしのアリエッティ』

今度の「映画の日」は日曜日なので、シネコンは混み合うことが予想される。いまかかっているものでは『借りぐらしのアリエッティ』と『インセプション』を観たいのだが、前者のほうが家族連れに好まれるので、日曜は込むだろう。ということで、前者を平日に…

試験をめぐる学生の態度―今昔

昨日のことだが……。 午前中、国士舘大学の講義「生命科学と21世紀社会」の試験を行った。今年も例年のように先週、つまり最後の講義であらかじめ2つの問題を提示し、そのうち1つを出題する、と予告しておいた。そしてそのうち1つを実際に出題した。 試験…

改定臓器移植法施行から2日

たまにはまじめに(?)映画以外のことも書こう。 * 去る17日、改定臓器移植法が施行された。 先日、生命倫理会議が主催するシンポジウムを傍聴したのだが、そのときも議論になり、僕も率直にいってよくわからなかったことは、今回の改定によって、はたして…

『エアベンダー』

夜、『エアベンダー』を観る。 これまでのナイト・シャマランの作品で面白いと思ったのは、『ヴィレッジ』ぐらいである。そのほかはほとんどつまらなかった。『エアベンダー』も、まったく期待せずに観て、少しでも面白いところが見つかればそれでいいと思っ…

『アデル』

ほとんど映画日記になっていますね。ま、いいか。 夜、シネコンのサービスデイを利用して『アデル』を観る。『インディ・ジョーンズ』のフランス版、というか、リュック・ベッソン版なのかな、と思ってみたら、くだらない三流コメディだった。僕はもともと、…

『プレデターズ』

午前、国士舘大学町田キャンパスへ。「生命科学と21世紀社会」の第12回目、再びiPS細胞について話す。 午後、御茶の水に移動し、いつもの編集部で夜半まで作業。 夜、ふらふらになって地元に戻り、シネコンで映画を観る……というパターンが、最近の土曜日の定…

『小屋丸』、『彼女が消えた浜辺』

映画の試写を2本続けて観る。 映画美学校で観た『小屋丸』は、フランス人の美術家が、新潟の里山「小屋丸」に暮らす人々を追ったドキュメンタリー。小屋丸は典型的な過疎地で、いまでは3組の老夫婦と、ひと組の外国人家族が暮らすのみ。外国人家族というの…

JCcast第37回!

先日のことですが、僕がレギュラー参加しているネットラジオ番組「JCcast」の第37回が公開されました。僕は「23andMe」をはじめとする遺伝子検査サービスについて、山下君は前回に続き鍼の効能について、赤木君は乳がん検診の奨励とそれへの批判について話題…